SECIモデルとは


SECIモデルはナレッジマネジメントの枠組みであり、SECIを回す(「共同化」(Socialization)、「表出化」(Externalization)、「連結化」(Combination)、「内面化」(Internalization)という4つの変換プロセスを経る)ことで個人の暗黙知が組織の共有の知識(形式知)となるというのが一般的な理解だと思います。 例えば「知識やノウハウが個人に蓄積されてしまっていて、標準化やマニュアルの整備をして効率的に進めたい」といったニーズに当てはまる理論と言えます。 一方、それだけではない、というのがSECIモデルの本質を理解するうえで重要なポイントだと考えています。 例えば、SECIが回り新たな知が生まれる中で、チームビルディングが促進され、よりSECIが回りやすい組織が形成されていきます。これによってよりイノベーティブな案が生まれたり、意思決定のスピードが速くなったりしていきます。 また、内面化によって個人の暗黙知が豊かになることで、その組織に属するひとりひとりが成長していく個人強化プロセスでもあります。 SECIでできることは1つではないのです。 SECIモデルを勉強されている方ほど、SECIモデルの枠組みを頭で理解するだけでは、実際の現場でSECIを回すことは難しい、と感じられているのではないでしょうか? まさしくその通りで、教科書に書いてあることを実践するというよりも、思考や感情、身体感覚などすべてを使って個人の豊かな暗黙知にアクセスし、今この瞬間、この場に起こっていることをありのままに見ながら、人と人との関係性の中で新たな知を生み出していくことが、本当の意味でSECIを回すことだと思います。 と言われてもそれがどういうことなのか、何が起こればSECIが回っていると言えるのかが分からない…。 だからこそ、まず「体感」することが欠かせないのです。